”電気工事屋” からサービス業へ

みなさん、こんにちは。

今回は、先日私が読んで感銘を受けた本の一部を抜粋してご紹介したいと思います。

タイトルは、「『不思議な会社』に不思議なんてない」
著者 島根電工株式会社代表取締役社長 荒木 恭司氏

顧客第一主義だけど社員が一番、お客様は三番

島根電工グループの特色をひとつだけあげろ、と言われたら、私は迷わず「社員を大切にすること」というでしょう。
以前は「顧客第一主義」を掲げていたのですが、お客さま第一で制度や仕組みをつくっていくと、どうしても社員に無理がかかってしまいます。そこで島根電工グループでは、
(1)社員とその家族が一番
(2)関係する会社(卸会社・メーカー・下請会社)の社員とその家族が二番
(3)お客さまが三番
(4)地域が四番
(5)株主が五番
の順にしています。

するとお客さまのなかには、「おまえは、社員が大事で、お客さまは三番か」と文句を言ってくる人もいます。確かにお客さまは大事です。でも、お客さまを第一の優先順位にすると、会社がおかしくなってしまうのです。

こんな例がありました。
元旦に「門灯の電気の球が切れたから、すぐ取り替えてくれ」と電話が掛かってきました。陶山前社長の携帯にかかってきたそうです。でもお正月はみな休んでいます。お酒も飲んでいます。緊急事態ならいざ知らず、門灯の電気の球くらいなら、お正月あけまで待てるのではないでしょうか。

前社長が電話でやんわり断ると、お客さまは怒ったといいます。
「お前のところはおたすけ隊じゃないのか。お客がすぐ来てほしいと言っているのにこれないようなら、おたすけ隊を名乗るなっ!」
こんなお客さまは、こちらからお断りです。
(※『おたすけ隊』とは、一般家庭向けに、コンセント一個から小口の工事を引き受けるサービスのこと)



そして三番目がお客さま。順番は三番目ですが、社員を大切にして、取引先を大切にすれば、大切にされた社員と取引先はお客さまのことを大切にしますから、結局、お客さまが大切にされることになるのです。

ですから本当に「顧客第一主義」を掲げるなら、お客さまに直接、接する社員や取引先を大切にしなければなりません。

社員が一番、取引先が二番、お客さまが三番というこの順番は、本当にお客さまのことを考えたからこそ言える結果なのです。

「どうやったら成功しますか」 「それはあなたがやめることです」

島根電工グループが伸びていると話をしますと、「それはあなたが社長だからでしょう」 「あなたのところの社員が優秀だからでしょう」 「あなたのところは社風がいい。うちにはあんないい社風はない」と言われます。

そんなとき、私はこう答えることにしています。
「成功する方法をお教えしましょうか」
「はい。ぜひ教えてください」
「それはあなたがやめることです」

ちょっと強烈ですが、冗談めかしてそう言うと、相手はようやく気づきます。
「あなたの会社の文化や風土は、経営者であるあなたがつくっているんですよ。だから会社を変えたかったら、まずあなたが変わることですね」

そうやって経営者の意識を変えていくと、徐々に会社の文化や風土が変わっていきます。



今、日本には個人、法人を合わせて420万社の会社があるといわれています。その72%が赤字です。日本の企業の九割は中小企業なので、その大多数は赤字だと思っていいでしょう。

そして経営者の多くは赤字の理由を、自分以外の外に求めます。
自分の会社の業績がよくないのは、「景気や政策のせいだ」 「こういう業種・業態だからダメなんだ」 「企業規模の大きいところに負けるのは当たり前だ」 「ロケーションが悪いからダメなんだ」 「近くに大型店ができて客をとられたからだ」とか・・・。

全て原因は外にある。本当でしょうか。

私はこれを「中小企業の誤解・錯覚・甘え」と呼んでいます。
なぜなら、景気が悪くても、ロケーションが最悪でも、企業規模が小さくても、近くに大型店があっても、絶好調の企業はあるからです。

法政大学の坂本光司先生はよく「二対六対二の法則」とおっしゃいます。

景気がよくても悪くても、業績のいい会社が二割ある。
景気がよくなると、よくなる会社が六割ある。
そして景気がよくても悪くてもダメな会社が二割ある。

それが「二対六対二の法則」です。私たちは最初の二割をめざさなければなりません。どんなにどしゃ降りの雨の中でも、もうかっている二割の会社があるのだとしたらその二割にならないとダメなのです。

原因を外に求めている限り、”最初の二割” にはなれません。悪いのはすべて「外」にしてしまうと、自分は変える必要がないからです。

外的要因は自分の力では変えようがありません。変えられるとしたら、自分のほうしかないのです。

どうしたらお客さまがほしいと思ってくれるものを提供できるか。
どうしたらお客さまに本当に喜んでもらえるか。
真摯に向き合って、経営者自身が自分を改革していく。

そして会社の文化や風土を変えていく。そこからしか ”最初の二割” になる道は開いていかないのです。

会社の未来は、これからの人たちに託したい。

会社の社長をしていると 「将来のビジョンを教えてください」 「これからどんな会社にしたいですか」 という質問をよく受けます。

私は 「わかるわけがありません」 と答えています。
なぜなら10年先に世の中がどうなるか、誰にもわからないのに、この先どうしていきたいかなどとビジョンを答えられるわけがないからです。

今、私が 「こうあるべきです」 「こうなりたいです」 と答えても、世の中は変わる可能性があります。変わる時代に対応できる会社しか生き残っていけないのですから、今の時点で私がビジョンを語っても無意味です。

私がすべきことは、世の中がどんなふうに変わっても社員を大切にすること、お客さまを大切にする姿勢は変えてはいけないこと。その考え方をちゃんと伝えていくことだと思っています。

そうすれば、変わるべき時代がきたときに、その時の経営者がどうするのか考えればいいのです。
とにかく大切なのは 「それは社員にとって幸せだろうか?」 「取引企業にとって本当にいいことなのか?」 「お客さまが求めていることだろうか?」 ということです。そのことだけを判断基準にしておけば、本質をはずれることはありません。

あとはどんな事業をやろうと、どんな仕組みをつくろうと、その時の経営者が時代に合わせて柔軟に考えていけばいいのです。

私は未来において電気工事がなくなると思っています。 水道工事もなくなるかもしれません。今われわれがやっている設備工事のほとんどはなくなっていくでしょう。

そのとき島根電工グループがどう生き残っていくのかというと、これはもう ”工事屋” ではなく、「快適な空間を提供する」 サービス業として変わっていくしかありません。

そのときに対応できる社員づくりをしておくのが、私の役目だと思います。
そして全国にある同業者が ”腐った肉(下請けの仕事という意味)” を食べさせられ、「息子に継がせたくない」 と泣きながら仕事をするのではなく、「この仕事が楽しくてたまらない」 という仕事に変えていくのが私の使命です。

夢とは、手の届かない星をつかむこと。これは 『ラ・マンチャの男』 の中のドン・キホーテが言ったせりふです。

設備工事がいっさいなくなった世界で、私たち工事業者が 「楽しくてたまらない」 と言いながら仕事をしている世界。それが私の夢です。

あり得ないと思いますか?

でも人は空を飛びたいと思ったから、飛行機が発明されたのです。月に行きたいと思ったから、宇宙ロケットができたのです。

願い続けていれば、必ず道は開けます。そのためのほんのわずかな一歩でも、私ができることを今から進めておく。

それが手の届かない星に近づく唯一の、そして確実な方法だと思っています。

大分、長くなりました。

みなさんは、何を思われましたか?

よしだ労務管理事務所

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