みなさん、こんにちは。
高齢化社会、60歳定年後の再雇用が一般的になりました。
私も定年後の再雇用条件について相談をお受けすることがあります。
最近も会社側から2件ほどありました。
1件は、看護師で「年金が支給されているので数万円下げました。」
もう1件は、トラックの運転手でこちらも「定年後の再雇用なので賃金を下げてもいいですよね。」
という内容です。
基本的には、就業規則に定年と定年後の処遇をしっかり規定して、その規定に基づいて対処しなければなりません。
私が依頼を受けた場合は、(当然依頼者の意向に沿ってですが)「1年ごとに個別契約を締結して、その契約のなかで労働時間や賃金を決定する。」とする就業規則を作成しています。
そして多くの場合、個別契約のなかで賃金は定年前より定年後のほうが下がっています。
このとき、経営者で誤解されている方がいらっしゃいますが、「定年後の再雇用だから賃金を下げてもいい。」ということではありません。
定年前と同じ労働に対して賃金だけ下げるということは労働契約法20条に違反します。
「定年まで一生懸命働いてご苦労様でした。定年後はゆっくり生活してください。でも、年金は少ないし、まだ十分働けるし働きたいという方は、働いてください。しかし会社としてはこれまでと同じ賃金は支払えませんので、〇〇〇のような条件になります。」
といって条件提示をします。その場合に賃金を下げるということは、それに見合った労働条件の提示が必要です。
つまり1日の労働時間を短縮する、あるいは1週間(1か月)の労働日数を削減する等です。
最近、同じような事例が東京地裁でありました。
http://www.tokyo-np.co.jp/article/national/list/201605/CK2016051402000145.html(東京新聞)
十分ご注意ください。 以上です。